ヨガの起こり

「ヨガ・ストーラ」の内容を簡単に言うと、物質はその中に精神を包含するもので、物質(肉体)の中に精神が宿り、それを自己認知させその素晴らしさを知らしめる事がその任である、というものです。つまりヨガというのは、1人の人間の肉体だけでなく精神(魂)をも併せて捉え、それらすべてを向上させ調和させていく包括的な修行体系であると説いたのです。初期のヨガ行者は、知性の高い科学者のグループであったと言われています。夏でも雪に覆われたヒマラヤのふもとで、厳しい大自然と向き合い、生きていく為には、「死」という現実にも向き合わなければなりません。死ぬ宿命を持った肉体と、欲望に振り回される心を持った人間がどのようにしたら救われるのか、肉体と精神(魂)、罪悪と苦悩、小さな自己と大宇宙との関係、そしていかに自然の摂理に従って生きていくのかという事を徹底的に研究したのがヨガだったのです。